歯周病の症状
こんな症状はありませんか?
以下の症状にひとつでもあてはまる方は、歯周病の可能性が高いです。
お早めにご相談ください。
- 朝起きた時に、口の中がネバネバする
- 歯を磨いた時に出血する
- 口臭が気になる
- 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
- 硬いものを咬むと痛む
- 昔よりも歯が長くなったような気がする
- 歯がグラグラする
- 歯が浮いたような気がする
- 歯茎が赤く腫れたり、膿が出る
Periodontal disease / Preventive dentistry
「歯周病」。TVのコマーシャル等、日常でも何気に耳にする機会の多い病気です。
それもそのはずで、「全世界で最も感染者が多い病気は歯周病である」とギネスブックに2001年に認定された病気なのです。
でも、「歯周病ってどんな病気ですか?」と聞かれても、パッと思いつきませんよね。ここでは、その「歯周病」についてご説明させてください。
歯周病は、ひとことで言うと、大切な骨が溶けて歯が抜けてなくなる病気です。
下図のように、歯の喪失原因のうちで最多の42%が歯周病によるものです。
また、全身疾患とも深い関わりがあることがわかってきました。
歯周病菌が肺や血液を通じて全身をめぐり、心筋梗塞や脳卒中など、さまざまなトラブルを引き起こすことがあります。
病気の原因を探していたら、なんとそれが歯周病だった……というケースも少なくありません。さらに歯周病の恐いところは、「サイレントキラー」とも呼ばれ、まったく自覚症状のないまま静かに病状が進行していくことです。
たかが歯周病と甘く見ず、予防とともに早期治療に努めましょう。
以下の症状にひとつでもあてはまる方は、歯周病の可能性が高いです。
お早めにご相談ください。
歯ぐきに炎症が起き、歯と歯ぐきの付着が溶け、「歯周ポケット」が深くなります。
痛みはまだありませんが、ブラッシング時に出血することがあります。
炎症が深まり、歯周病菌が顎の骨にまで達しています
。歯周ポケットが深くなり、歯はグラグラしはじめます。
歯がしみたりすることもあります。
顎の骨が半分以上溶けています。
歯周ポケットがかなり深くなり、歯はグラグラになってきます。
歯ぐきからは膿が出て口臭も増します。
ここまで進行すると、最終的に歯は抜け落ちてしまいます。
歯の表面に絶えることなく形成される細菌性の膜をプラーク(歯垢)と呼びます。
このプラークが歯周病の最大の原因です。
日常で見かけるものでは、台所のシンクやお風呂場の排水口のヌメリがこれにあたります。
あのヌメリが自分の口の中にあると思うと…ちょっとぞっとしますよね。
プラークは歯の表面ででき、プラークからの毒素が歯ぐきにしみ込んでいきます。
こうして歯の磨き残し等で歯茎のまわりに残った大量のプラークが炎症を引き起こすのです。
プラークは歯と同じ色なので見つけるのが困難です。
ネバネバですが軟らかく歯みがきで取り除くことができます。
取り除かないと、石灰化して硬くなっていき、歯石がつくられます。
歯石にはプラークが付きやすく、新しく軟らかいプラークがざらざらした歯石の上に急速に形成され、これが炎症を引き起こし進行していきます。
何かしながら、我流で歯みがきしていませんか?
2~3分でサッと終わらせていませんか?市販の歯みがき粉を使って、歯みがき後にきれいにゆすいでいませんか?
歯周病が進行するのは、磨き残しの部分がある、つまりブラッシングが上手くできていないことが原因です。
現状のブラッシングでどこが磨けていないのかをよく理解した上で、正しいブラッシング方法を学んでいきます。
歯石は歯面に付着したプラークに唾液中のリン、カルシウムが混じって石灰化したものです。
実は、歯石それ自体の病原性はありませんが、表面がでこぼこしていて、歯垢が付着する格好の足場になります。
歯石になってしまうと、ご家庭のブラッシングで除去することはできないので、一般的に超音波スケーラーやキュレットスケーラーを使用して取り除きます。
歯槽骨の破壊が大きく、歯周ポケットが深い場合には、ポケットの外から器具で歯垢や歯石を取り除くことは不可能です。
そのような場合には、歯肉を開いて歯根を露出させて、歯垢や歯石を取り除きます。
治療が終わった後に継続して、良い状態を維持することを指します。
そのためには、歯科医師のチェックと歯科衛生士による専門的なお口の清掃(クリーニング)を定期的に行います。
最低でも半年に1回は定期的にチェックを受けましょう。
進行した歯周病の治療が終わった方は、1~3ヶ月のサイクルで来院し、安定した状態を管理していくことが大切です。
定期的なメンテナンスを受けるか受けないかで、残る歯の本数は大きく変わってきますが、日本のメンテナンス受診率は先進諸国とは比べ物にならず、発展途上国レベルです。
なぜ、予防が重要かを、まずきちんとご説明させていただきたいと思います。
お若いうちは色々と楽しみもありますが、お子さんが成人してからの長い人生で、その楽しみのほとんどは食事であることが分かっています。
日本人の高齢者のほとんどが入れ歯ですが、入れ歯は自分の歯の半分程度もうまく物を食べられず、楽しいはずの食事がストレスになってしまいます。
そのため、高齢者が若いことにやっておけばよかったものをマスコミがよく特集しますが、そのトップには必ず「歯をきちんとすればよかった」と挙がってきます。
歯医者はそのことをよく知っていますので、純粋な良心から「歯医者には定期的にきちんと行ったほうがいいですよ」とお伝えしておりますが、患者さんは今その瞬間は特にお困りのことがないため、なかなかうまくいきません。
しかし、いざお困りになった時にはもうすっかり手遅れですので、何とかしてそこを予防する必要があります。
大人になってその習慣を身に付けることは容易ではないため、小児のうちに予防を「習慣」とすることが非常に重要になってきます。
人間は習慣で活動する生き物です。
1日3食になったのは200年程度前からのことで、それまでは世界中が皆1日2食でした。
しかし、現在1日3回食事することは当たり前で、2食しか食べないなんて耐えられないという方も多いのではないでしょうか。
つまり、習慣化したことは変えると苦痛になるため、予防を習慣づけすることができれば、「毎日のきちんとしたお手入れや定期健診をしないと苦痛」となります。
横浜市も含め、小児は公費で歯医者に行け、やっと最近になり予防処置が受けられるように保険が改正されました。
予防が習慣化することにより、多くの子が将来おじいさんおばあさんになって「ああよかったな」と思ってもらえましたら、それはもう大変な本望です。
少し前までは、「早期発見、早期治療」と、むし歯がなるべく小さいうちに早く削って詰めることが良しとされてきました。
もしかすると、いまだにこのスタイルの歯科医院があるかもしれませんが、この考え方は間違っていたことが分かり、今では治療のガイドラインも変更されています。(特定非営利活動法人日本歯科保存学会編・う蝕治療ガイドライン第2版詳細版・P17、P78参照)
予防歯科とは、むし歯になってから治療するのではなく「痛くなる前に予防する」という考え方です。
そのためには、歯科医院でのプロフェッショナルケアと、自宅で行うセルフケアの両方が大切です。(先の、歯周病4.メンテナンス参照)
セルフケアだけでは、歯垢や歯石を完全に取り除くことができません。
歯科医院で、定期的にPMTCや口腔内診査などの検診を受けていただき、むし歯や歯周病にならない健康な歯を維持していきましょう。